new hatena paradise

平成のあいうえお

桜花爛漫

ちょくちょく映画を観ていると、だんだん型のようなものが見えてくるじゃないですか。これはあれのオマージュとか、このお話はあれに似てるなとか、他のなにかと比べられるようになる。他人の指摘を聞いて「へぇ!」と感心することも多いけど、自分であれこれ思考を巡らして、ああでもないこうでもないっつって、最終的に答え?のようなものを探し当てたときはとても気持ちがいい。
はずなんだけど、あんまり型ばっかり覚えてしまうと新しいものに対する感動が薄れてしまうこともあるのなあとか思ったんす。それ3年前に観たわーって感覚が、純粋な感動の邪魔をする。どっかで誰かが、表層批評なんてクソ!関連性こそ超大事!みたいなこと言ってたけど、物語で提示されたもののみで考えるというのも悪くはないような気がしてきました。というか、突き詰めた結果、ごちゃごちゃ別の話を引き合いに出すのが野暮って結論に行き着いたのかも。

そんなわけで、4月に観た映画たちのまとめでございます。




秋刀魚の味

昔の邦画とか退屈なんじゃないの?なはんて、いざ観てみればなんとまあ。過去にタイムスリップしたような不思議な感覚。往年の名作SF映画なんかを観るとチープに感じてしまうことが多くて、それはたぶん、公開当時は最先端の技術でも、今となってはちょっと古く感じてしまう、リアルタイムで体験しないと得られない類いの感動があるからだと思うんです。でも、そうではなくて、その時代の空気感をそのまま描いた映画はいつ観ても色あせないのかもしれないなーって。未来もいいけど過去にいけと。
なんかわかったようなクチきいてますけど、なんで一度も秋刀魚食べないのにタイトルが秋刀魚の味なのかとか全然わからん。酒の肴といえば秋刀魚なのか?とかいろいろ勘ぐってみたけど、人生は秋刀魚のハラワタみたいにほろ苦い部分もあるぜ!って説のこじつけ方とかがわりと好きです僕は。

ファイトクラブ

二回目だから大事なアレをわかったうえで観てたんだけど、良くできてますな!ただ、後半のネタばらし以降失速してるように感じてしまった。自分で自分を殴って吹っ飛ぶのはないわ!
スクラップヘブンとか完全にインスパイアされてるし、実は…!的な構図はメメントと似てたりで、ファイトクラブを軸にしてオモロイ映画探すとオモロそう。

ピアニスト

異常な性癖を持つおばさんのお話と聞いていましたが、そんなに異常かなあ?という思考に至ってしまったので、おそらく僕も異常です。終始無表情なのに、感情が爆発したときの顔の恐ろしいことよ。
中年ババアがイケメンを誑かす映画だけど、良くいえば、のだめカンタービレ年の差カップルバージョン?

ビフォアサンセット

これは続編のほうです。サンライズから9年後。そしてさらに続編まで考えてるらしくて超楽しみなんですけど!

モテキ

るみこたんが牛丼食って吹っ切れたみたいなとこの意味が全然わかんない。もう真面目に恋愛して重いとか言われるのイヤだからクソビッチ化しちゃお!ってことなの?僕は私生活が音楽とリンクすることとか全然なくて、ってゆうか音が楽しければそれで十分なので、メッセージ性とかあんまわからないんです。わからないというか、一番重要なところがそこじゃない。だから、特に、ラストに、今夜はブギーバックが流れるのとか、ただ好きだから流してるんでしょ?くらいにしか思えない。

(500)日のサマー

初めてみたとき僕はトム!サマーたんクソビッチ!とわめいていましたが、いろいろと環境の変化もあったせいか、あれおれサマーじゃね?いやむしろ、トムでもありサマーでもあるんじゃね?なはんて、視野が広がったんだか自分を見失ったんだかよくわからない状況になりまして…。
モテキとかビフォアサンライズ・サンセットとか、恋愛モノ観ると結局自分の身の上話しちゃう。

モテキ

何回見ればいいのでしょうか。ブルーレイきれい過ぎて長澤まさみの脚とかやばい。

クライム&ダイヤモンド

映画愛に満ちた作品とのことです。真面目なタランティーノ感ある。
原題は「Who Is Cletis Tout?」だそうです。Cletis Toutって誰だ。

ソードフィッシュ

なんか既視感を感じた。
天才ハッカーのお話なんですけど、僕もパソコンでひたすらプログラムを書いた経験とかあるんですが、あんなによっしゃーー!!みたいにならないです実際。カタカタカタカタ、うおおおおお!!!!みたいなの。

ワイルドゼロ

めちゃくちゃ!ひどい!

オーロラの彼方へ

タイトルだけ聞いたらヒューマンドラマ的な何かだけど、実際はタイムパラドックスのお話。ハッピーエンドというか、しゅっと収まって終わるいい感じの話だし、矛盾点をつきまくるのは野暮な気がする。
同じくタイムパラドックスを題材にした映画でバタフライエフェクトってのがありますけど、バタフライエフェクトの場合はイベント操作によってだんだん悪い方向に向かってしまうじゃないですか。でもオーロラの彼方へでは逆で、だんだん良い方向に向かっていく話で、鑑賞後はわりとさわやかな気持ちになれます。





冒頭でちょっろと書いたけど、やっぱ、誰とも関わりを持たずひとりで生きていける人がいないように、映画が全く何の影響も受けずに作れるはずがないです。映画が好きだから映画作ってんだから、ってゆうか一度も映画を観たことない人が映画をつくれるかっていったら無理じゃんか。
とはいえ、一回関連性を切り離して、ただそのときその瞬間を楽しむってのもなんかいいじゃんなーって話です。